挫折経験の共有で学びを深める
ランクアップが朝礼後に行う「講話」も興味深い。こちらは2週に1回程度、約15分間で担当の社員が自分のプロフィールや前職での経験などを話す。自分の挫折経験、そこからの学びや気づきなどを話すケースもあるという。このようなパーソナルな内容を語るには組織の心理的安全性や社員同士の信頼感などが重要となるが、聞き手にとっては学ぶことが多い。同社の社員からは「挫折を乗り越えた話や涙なしでは語れない感動エピソードを朝から共有でき実りある時間が大好きです」との声も聞かれる。
朝礼はシンプルだが効果が高い。費用もかからず、すぐにできる取り組みの1つだ。リモートワークでオン・オフトの切り替えという意味でもメリットが大きい。朝礼だけでなく、「オンライン夕会」を開始する企業も出始めている。
ランクアップの場合、朝礼だけでなく新人や中途社員が学びや抱負を語る「3ヶ月プレゼン・1年プレゼン」、社員自身が愛用する自社製品を自分の言葉で発する「社員インスタ施策」では趣味や子育てなど自身のパーソナルな内容の発信もされるなど社員の“人となり”を知ることができる施策が多い。このような多様な取り組みの連動でエンゲージメントが高まり、コミュニケーション施策の効果がさらに高まるという好循環を生み出している。「働きがいのある会社ランキング」(GPTW)にも選出されているランクアップ。社員が活躍し続ける制度を実施する同社の今後の取り組みにも期待が高まる。