各自が自由に行動策定するグローバル研修
インフォコムはITサービスやネットサービスを展開する企業で、グループとしてヘルスケア事業や「めちゃコミック」など電子コミック事業にも力を入れる。
インフォコムのグローバル研修は2019年から開始された。選抜研修で約1ヶ月間、同社の拠点先のカリフォルニア(シリコンバレー)とインドネシアで実施される。現地での行動プランを各自で策定するのが特徴で、その行動計画は研修の選考基準にもなっている。そのプランを人事担当者らにプレゼンをしてその本人と組織双方にとって価値がある内容(計画)と判断された場合に合格となる。
実際、この研修の参加者たちの組織への貢献度は高い。例えばカリフォルニアでUI/UXの先進技術を学んだ社員は現地で専門家との人脈を構築。研修終了後もそのプロ人財から組織的な支援を受けるだけでなく、同社の研修講師として人財教育にも携わってもらっている。
インドネシアに行った受講者の1人は現地のスタートアップ企業にインターンとして働いた。そのインドネシア企業はクラウドベースのアプリ開発を手がける会社で、次から次へと開発を進めるスピード重視のスタイルは、日本で堅実、堅牢性等を要求される業務に従事していたその参加者にとっては驚きの連続だったようだ。「同じソフトウェアを作るにしても、そのベースとなる考え方が全く違うので非常に勉強になったと言っていました」人事室 人財開発チーム 堀江敏夫氏
現在(2020年取材時)、インフォコムは事業構造の転換を図っている。受託業務をメインとした事業形態から自らサービスを作り出し提供する会社へと生まれ変わろうとしているのだが、この研修に参加した社員の知見なども同社の成長やイノベーション等に役立つに違いない。
※引用:月刊人事マネジメント2020年9月号記事を再構成して掲載。(記事中の内容、データ、肩書等は取材時のもの)