人事の社員を知る努力
エイチームには個人スピーチの機会がある。これもチームラーニングの継続化に役立っている。毎週月曜日の全体ミーティングの場で社員が与えられたテーマで自分の考え、体験などを語るのだが、ここで中久木氏が共感を覚えたスピーチを行った社員に対してはランチに誘い、講師のお願いをすることもしている。チームラーニングの運営には各社員のスキルや能力などを見極め発掘する必要があり、運営側のフットワークの軽さや社員を知る努力などが、この研修の継続化につながっている。「施策や取り組みが企業文化にまでなるのは容易ではありません。しかしそこに至るまでは運営側がしっかり魂を込めて運用することが大事かなと思います。」中久木氏
運用ノウハウという観点では「形式的にし過ぎない」こともポイントだとも指摘する。「スタート時には最初は型をつくって運用していましたが、徐々にその型を外していきました。先ほどのマネジャー同士の座談会というのはチームラーニングの型ではなかったのですが、社員のニーズに合わせて型を外して柔軟に運用するようになりました。このような場をたくさん提供することで社員にとってチームラーニングは自分にとって得になるし役に立つ、あるいは受講するのは当たり前という空気感を醸成していきたいと思っています。」中久木氏
「一人ひとりが意見を発信するという基盤もチームラーニングの継続という意味では大きいのかなと思います。新卒でもスピーチの機会があり社内では誰でも発信をしてもいいという雰囲気があります。このような文化的な要素も継続化につながっているのではないかなと思います。」人事部 人事企画グループ マネジャー 川口裕明氏
※月刊人事マネジメント2021年5月号の記事を再構成して掲載。文中の肩書き、内容等は取材時のもの。