全社でデータ・AI武装人財を育成
インフォコムは2018年よりデータ/AI人材の育成を全社的に加速させている。この背景には「全社でAI/データ武装をしよう」という経営方針があり、技術企画室と人事との共同で企画・推進された経緯がある。
データ人材は「数字に強くなる」「データ分析」などをテーマにした研修を行い、AI人材は講演会やワークショップなどを開催した。それぞれ「知っている」「使える」「事業に貢献できる」という3段階のレベルで設定。それぞれを必要とする社員が任意で研修やセミナーを受講するスタイルで実施された。
データ人材、AI人材育成が高まる中、人事室人財開発チームの三村義樹氏は「初級者にはデータを使うと仕事が変わると実感してもらうことがスタートだと考えています」とデータ活用のメリットの認識の重要性を強調する。
同社の一連の育成プログラムは社員に好評で想定以上の人が参加し活況を呈したようだったが、その一方で組織として上級者の育成の難しさも感じているようだ。「データやAIを使えるレベルまで人事施策として取り組んできましたが、その上のレベルを目指す人たちは社内の上級者から教わったり自主的な統計の勉強など各自で学んだりしているのが実情です」三村氏
同社は新人研修にもAI研修を導入。2020年は「AI入門」に加えて新たに「データ活用入門」も開始。新人に対する早期育成は事業に貢献できるレベルへの引き上げも期待できる。このような研修プログラムは事業戦略とも連動しており、「サービス化の推進」を目指す同社はアプリ開発の研修も導入予定だという。(2020年取材時)
大企業向けのSI事業で成長してきた同社だが今後は自社開発や自社でのマーケット創造に力を入れる。AIやデータ人材育成プログラムの実施はさらなる飛躍を目指す同社の事業構造転換の土台にもなり得る取り組みだ。
※引用:月刊人事マネジメント2020年9月号記事を再構成して掲載。(記事中の内容、データ、肩書等は取材時のもの)